[レポート] UX DAYS TOKYO 2019 ユーザーオンボーディング・コンパスをデザイン
はじめに
4/5-4/7 に行われた UX DAYS TOKYO 2019 でのワークショップの中の一つである「ユーザーオンボーディング・コンパスをデザイン」に参加しました。
講師であったKrystal Higgins(クリスタル・ヒギンス)氏のブログ https://www.kryshiggins.com/
Common anti-patterns
「私たちのプロダクトが、新しいユーザーに何をいうのか?するのか?」 それをはっきりとそれを思い出せるのか?からのスタート
4つのアンチパターン
- The benefits tour(ベネフィットツアー) 製品の特徴をたくさんのスライドで説明しようとする
-
The UI pointer(ユーアイポインター) 画面から矢印をひっぱって説明する
並行作業と大量情報。人は大量の並行情報を聞くことはできない。
- The setup wall なにをセットしているのかがわからない
-
the commitment wall コミットしてなにができるのかがわからない
ユーザーオンボーディングは、プロセス。登録したときなどの一時的なものでなく、毎日の通知や使い続けたときのユーザーの日常生活の一部としてのサービスとなるものであるという説明でした。
ユーザーオンボーディングに必要なものは
- 地図
- ガイド(次への)
- 多様化したガイダンス
Map to key actions
ユーザーのカギをマッピングする。ユーザーはマニュアルを読まずに使い始めるし(アクティブユーザーのパラドックス)、全体像は気にしていない。
ゴールまでの通過点として key action を特定しましょう。そのためには、ゴールから遡って特定するのがいい方法です。(迷路はゴールから始めるとわかりやすい)
毎月製品に戻る人、たくさんのお金を使う中級ユーザーを想定し、行動(key Action)があるのかを発見していく。離脱ユーザーがどこ地点でつまずいているのかも特定できる。
- コアユーザーの定義を付箋で記載。
- ユーザーはどこから入ってくるのかを記載、配置する。
- コアユーザーが、ゴールを達成するためにルーチンのアクションを記載する。一回きりのアクションははいらな。少なくとも6個ぐらいのアクションを記載する(6つというわけではない)
- ルーチンと入口をつなぐ1回のみのKey Actionを記載する。
- メンバーで、新規ユーザーが行わないと失敗するActionに対し、投票を行い、Actionに重み付けを行う
ここで、わかるのはオンボーディングの道は1つではなく、いろんな経路から入るもということ。
Guide to next steps
マニュアルを渡せばおわりというわけではない
難易度の高いものでも最初に講義があってから、行動だとたいくつでつまらなくなる。逆に、最高だったという体験があってからなら、必要なことを覚えることはできる
Break down key actions
キーアクションを細分化する。
- トリガー(きっかけ)
- アクティビティ(中心行動)
- フォローアップ(次につなげる)
キーアクションを3つにわけることで、それぞれにどんなガイダンスが必要なのかを理解する。
Break down key actionsはユーザーをnext Stepへ導く作業、key actionを明確にするためにブレイクダンする、フォローアップは、次のキーアクションのトリガーになる。
Diversify guidance
オンボーディングはユーザーにより違う経路を辿ります。何度も同じものにあたる場合、その表現が多用であれば、学びは深くなる
5つのガイダンス
- Defaults 初期設定で使われるもの。セットででてくるもの 初めて使う機能に対して、出会う人はどうコミュニケーションをするのかを考えるのが重要 例)デザインをWEB/スマートフォン二つの視点で提供しますといったもの
-
Inline 今見えている環境に一瞬で入ってくるもの。広告に近いもの 例)Instagramのストーリー上に表示されているストーリー表示とは違う別機能の表示
-
Reactive ユーザーが行動した結果、直接的に対応するガイダンス 例)先生への質問に生徒が答えるといった形のもの ファイルアップロードボタンを押すと、この中にドロップしてくださいといった画面が表示される
-
Proactive ユーザーがアクションを行う前に先に表示する 例)ガイドチュートリアル 開発者は、すべての機能がユーザーに大切だと思い全てを説明しようとするが、一番重要なものにだけ使うのがよい。
-
On-demand 自分で解決策を探せる 例)よくある質問
自分が作成するプロダクトが上記5つのどのガイダンスをよく使っているのかを自覚することが大切だと感じました。
Appropriate guidance
ユーザーの状況を考え、適切なガイダンスを表示することが重要です また、デザイン上で一貫性は大切で、そこから外れたものはユーザーに無視されます。
ユーザーの状態は4象限で確認し、何を使うかをきめていく。
それぞれのケースで、有用なガイダンスというのは違うので、ユーザーの確認が大切であると感じます。
横軸:User is: Exploring - On a mission 縦軸:Product/feature is: Established - Novel
Good onboarding will evolve
オンボーディングは進化をします。反復が重要で、それにはチェックポイントが存在する。
オンボーディングの確認 1. フィードバックを聞いていく 2. 同時に「さようなら」のときにもフィードバックをもらおう。
やはり、進化させる、成長させるにはフィードバックが大切であると再認識しました。
所感
ユーザの行動をジャーニーとしてまとめたりはしていましたが、行動をさらに細分化するからの、ネクストアクションに繋げるという話は、行動を確認する上でとてもわかりやすく、線がつながるという意味で頭の中が繋がったイメージです。
楽しい経験があるからこその、勉強を行うことができるという話には、いろいろと自分の反省点が見えました。確かに、それが楽しいことでなければ誰もやってくれない。そこからの、経験のルーチンと一度きりの体験の話も深い学びがあります。
ガイダンスにおいても、自分が好んでReactiveを使用しているなと認知することができました。これも好みの話で、それぞれにおいての最適解になっていなかったことに新しい発見をうけました。
自分の不足部分を感じることができたワークショップでした。デザイナーという職業に付いているのであればやはり定期的な学びのアップデートが必要です。自分が足りていると思うと学びがストップしてしまう気がしているのですが、そこを刺激してくれるいいワークショップでした。(特に英語...)本当にありがとうございます。
リンク